株式会社三栄

目次

はじめに　アイヌ民族とは何か？

第一章　今こそ知りたいアイヌの文化
まず始めに知っておきたい アイヌ文化へと誘うキーワード17　12
【自然】 アイヌの人々にとって暮らしを育んできた自然は畏怖すべき存在である　20
【動物】 独自の生態系のなかで育まれる命 北の大地に生きる動物はアイヌの隣人　23
【衣】 樹皮などを利用して丁寧に紡いで織る衣には知恵と工夫が生かされている　27
【装身具】 華やかに着飾るアイヌ民族 美意識の高さが表れている　34
【食】 山・川・海の恵みを受け保存加工技術を駆使して食を確保した　38
①狩猟／晩秋から初夏にかけて行われる男たちの仕事　41
②漁労／狩猟と並ぶ大切な生業 コタンは河口付近や川沿いに形成された　45
③山菜／山野で芽吹く自然の恵み アイヌの山菜図鑑　48
④農耕／食料の不足を補う副次的労働 小規模な農耕によって野菜や穀物を得た　54
【住】 生活の身近にある自然の材料で建てる伝統的家屋の秘密を紐解く　56
【信仰】 アイヌ民族は人間に影響を及ぼす全てのモノ・コトに神を感じる　61
【イオマンテ】 命を生かす糧への感謝を込めて行うアイヌにとって最大の儀式　64
【楽器】 アイヌ民族に伝わる楽器の音は自然そのものを表現している　68
【踊り】 カムイを喜ばせ、ともに舞う アイヌの人々にとって歌と踊りは一体　71
【生と死】 和人とは大きく違う死生観 死者は祖先たちの住む世界へと旅立つ　74
【言葉】 言語学者・中川裕先生に聞く 口承によって受け継がれるアイヌの言葉　78

第二章　北海道の歴史とアイヌ民族
旧石器時代から古代国家へ アイヌへの道をたどる　90
中世の北海道とアイヌ アイヌ民族と中世国家が入り交じる時代　96
松前藩の成立は喜べぬこと 不利益な和人支配、そして戦い　100
交易独占に対する大蜂起 〝シャクシャインの戦い〟蜂起から敗北まで　105
アイヌ最後の武装蜂起 クナシリ・メナシの戦いの背景とその結末　109
江戸幕府の統治下のもとに ロシアの接近と交易新たな蝦夷地探検　112
明治政府の開拓使が置かれて幕末から明治へ、アイヌ文化苦難の時代　116
北海道庁の設置、開拓の進行 開拓使による開発と自立を模索するアイヌ　119
イザベラ・バードの目にアイヌの人々はどう映ったのか？　122
保護法の改正とアイヌ学校の廃止 太平洋戦争下の北海道と出征するアイヌ　124
アイヌ新法が制定されたことで訪れた民主化とアイヌ民族の現在　127
『アイヌ神謡集』をまとめ上げたアイヌ少女・知里幸恵の19年の生涯　134
神々と人間の交流の物語を謡う『アイヌ神謡集』の精神世界　140

第三章　北の大地に息づく文化を訪ねて――アイヌゆかりの地を巡る
北の大地でアイヌの世界を旅して日本の多様性を体感する　156
２０２０年に国立博物館が誕生【白老町】 アイヌ文化の発信拠点へ　160
沙流川流域に受け継がれる【二風谷】 アイヌの伝統工芸を訪ねる　165

巻末　アイヌ文化を見て、触れて、正しく学べる！ 北海道の博物館＆資料館ガイド　178
北海道博物館／サッポロピリカコタン（札幌市アイヌ文化交流センター）
北海道立アイヌ総合センター／北海道大学植物園北方民族資料室
函館市北方民族資料館／室蘭市民俗資料館（とんてん館）／様似郷土館
苫小牧市美術博物館／昭和新山アイヌ記念館／シャクシャイン記念館
アイヌ文化の森・伝承のコタン／新ひだか町アイヌ民俗資料館／北海道立北方民族博物館
川村カ子トアイヌ記念館／旭川市博物館／阿寒湖アイヌコタン／帯広百年記念館
釧路市立博物館／弟子屈町屈斜路コタンアイヌ民俗資料館
幕別町蝦夷文化考古館／稚内市北方記念館

おわりに　民族が共に生きるということ