F1界のみならず世界中を震撼させたイモラの事故から間もなく18年。非業の死を遂げたアイルトン・セナという存在は、F1の代名詞と言えるまでに昇華し、当時を知る者はもちろん、新たな世代のファンをも魅了し続けている。
本書は“THE HERO”セナの比類なきレーシングライフを、様々な年代、様々な角度から切り取った、ファン必読の一冊である。1950年創刊のモータースポーツ専門誌、英Auto sport の膨大なアーカイブの中から、セナがそのキャリアの節目節目で心情を吐露したインタビューをはじめ、天才レーサーの真骨頂を見せつけたクラシックレースクローズアップ、チャンピオンマシン分析、セナ語録にみるヒーローの世界観、“暗黒の週末”についてのライバルたちの証言、ベテランジャーナリストが考察するセナの二面性など……。日本語としては初出となるこれらの記事を再編集し、貴重な写真とともに紹介していく。
煩悶を重ねながらも眩しいまでに輝き、栄光を手に旅立った無二のワールドチャンピオン、アイルトン・セナ。本書は、その深淵を覗く一助となるだろう。