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モーターファン別冊・ニューモデル速報
三菱アウトランダーPHEVのすべて

2013.02.13
不定期刊
特別定価503円 (特別本体価格457円)
ISBN:9784779617294

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三菱アウトランダーPHEVのすべて
i-MiEVで電気自動車を世に広めた三菱自動車の次なる一手、それがプラグインハイブリッドEVだ。そのベースに選ばれたのは、2012年後半に登場したばかりの新型アウトランダー。EVを基本としたハイブリッドシステムをSUVに搭載したのは、エコ一辺倒で我慢を強いられることが多かったエコカー市場への新提案としての意味合いもある。


「PHEV」という車名が表すように、基本的にはモーターのみで走行する電気自動車(EV)。そう捉えるのが最も分かりやすいが、このクルマには発電機と駆動力というふたつの役割を担うエンジンも搭載されているのが、純粋なEVと大きく異なる点だ。

走行時にはモーターとエンジンが随時自動で起動/停止し、最適な走行モードを選択。この走行モードは3種類用意されており、バッテリーに蓄えられた電力のみを使用して走る「EV走行モード」、エンジンを発電用に動かしてバッテリーからの電力を補いつつEVとして走る「シリーズ走行モード」、エンジンを駆動力の主体としながらモーターがそれをアシストする「パラレル走行モード」となる。

では、どのような状況下で、どの走行モードが選択されるのか? 「EV走行モード」が受け持つのは、バッテリー残量が十分である場合の平坦路や下り坂。約120km/hまでの高速走行も可能というから、バッテリーがあまり減っていない状態での近距離走行であれば、ガソリンをまったく使わないEVとして使えることになる。ちなみに、満充電でのEV走行可能距離(JC08モード)は60・2km、エンジンも併用した場合の航続可能距離は897km(JC08モード)だ。

走行しているうちにバッテリー残量が一定値以下になると、エンジンが発電用に起動する「シリーズ走行モード」に移行する。また、登り坂や急加速時など、より大きなパワーが必要となる場面でも同様だ。

「パラレル走行モード」が選択されるのは、エンジンの負荷が低い高速走行時。駆動力の中心としてエンジンが働き、低下しているバッテリーへの充電も行なう。さらに、追い越し時などにはモーターがアシストしてくれる。

以上が基本的な走行パターンだが、ドライバーの意思でバッテリーの使い方を選べるふたつのモードも用意されている。ひとつがバッテリーの電力を温存して走ることができる「セーブモード」。このモードを選べば、その時点で残っているバッテリー残量をキープするため、「自然の溢れる目的地付近でなるべくEV走行したい」といった要望にも応えてくれる。もうひとつのモードが、エンジンを起動してバッテリーへの充電を行なう「チャージモード」。EV走行できないほどバッテリー残量が減ってしまったが、これから夜中の住宅地を走行するから静かに走りたい、という場合になどに有効に使えるだろう。

また、メーカーオプションで用意される「AC100V電源」を活用して、移動式の蓄電&発電機としても使える。バッテリーのみで一般家庭の約1日分、先に紹介したチャージモードを活用したエンジン発電を併用すれば10日分相当の電力を供給できるため、アウトドアや災害時のパートナーとして、心強い限りだろう。

ガソリンエンジン車と異なる点は、このプラグインハイブリッドEVシステム以外にもある。まずは、前後に搭載されたモーターを活かした4WDシステムと、先進の車両運動統合制御システム「S-AWC」が全車に標準装備化された点。そして、モーターなどを積載する関係から3列目席が廃止されているのが、大きな違いだ。エクステリアも異なっており、グリル形状やホイール、テールライトのデザイン変更や専用エンブレムの有無などにより、先進性をアピール。“ぶつからない、はみださない”を謳う「e-アシスト」搭載モデルが用意されるのはガソリンエンジン車同様で、安全面もハイレベルだ。

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