HISTORY OF AIR JORDAN
MUSEUM 23 TOKYO REPORT
THE FINAL
80'S
46年にBAAとして長い歴史の第一歩を記したNBA。サイズがモノを言うスポーツだけに、黎明期から1980年代後半までは、頂点に立ったチームに必ずと言っていい程、偉大なセンターがいた。NBAで最初に黄金時代を築いたミネアポリス・レイカーズは、208cmのジョージ・マイカンが48−49シーズンにデビューして以来、インサイドで強烈な存在感を示し、3連覇を含む5回の優勝を6年間で達成。59年からの8連覇を含め、13年間で11度のタイトルを手にしたセルティックスには、ビル・ラッセルがいた。数々の記録を作ったウィルト・チェンバレンがラッセルのライバルとして存在し、その後はカリーム・アブドゥル=ジャバーがNBAを代表するスーパースターとなったのである。
90'S
4度目の正直でピストンズ打倒を成し遂げ、91年に初の頂点に立ったブルズは、90年代のNBAを代表するチームとなった。スーパープレーの連発と絶対的な勝負強さで多くのファンを魅了したマイケル・ジョーダンは、インサイドを支配できるセンターが不在のチームでも、NBAの頂点へと導ける偉大なスーパースターであることを証明した。80年代後半から90年代にかけて最高のセンターと言われたアキーム・オラジュワンを擁したロケッツは、ジョーダンがメジャーリーグ挑戦で現役から離れた期間に2連覇を達成。しかし、95-96シーズンにジョーダンが完全復活すると、ロケッツの存在感はすぐに薄くなり、シーズン72勝というNBA新記録を樹立。圧倒的な強さで4度目の頂点に立つと、ジョーダンが再び引退を決断するまで、どのチームもブルズを倒すことができなかった。
00'S
80〜90年代を牽引した"オールドスクール"たちが次々と現役を退き、NBAは否が応でも新時代に突入していく。90年代中盤に若くしてプロ入りした選手たちは、00年代に入るとキャリアのピークを迎え、リーグを席巻する存在へと飛躍。ジョーダン&ブルズの帝国時代は終焉し、全米各地に広がるニュージェネレーションたちによる乱世の時代が訪れたのだ。この時代を一言で表すなら「群雄割拠」。選手の国籍も、欧州、南米、アジアなどグローバル化が一気に進行した。アメリカ人選手たちの異常とも言える身体能力を最大の売りとしてきたリーグは、世界中のテクニシャンたちを巻き込み、バスケットボールの国際見本市と化していったのだ。