バイク Kawasaki
THE PHILOSOPHY OF KAWASAKI ZAPPER
2022.06.27
月刊
定価1200円 (本体価格1091円)
ISBN:9784779646324
KAWASAKI MEGURO K3
カワサキ“W”に継承された“メグロスピリット”とは!?
日本のオートバイ、ここにあり!!
カワサキZ伝説がふたたび動き出す
“ザッパー(ZAPPER)”とは、Zシリーズや4気筒を指すモノではない。
それは、50年以上前にカワサキが作り上げた“オートバイの快感”だった!?
今年4月に発売されたカワサキの新たなネオクラシック・モデル、Z650RS。そのモチーフが“ザッパー”の愛称で親しまれた1976年のZ650だったことから、「ザッパーの復活」や「ザッパーならば4気筒じゃないと」等、多くのバイクファンの中で再び“ザッパー”というキーワードが脚光を浴びましたが、じつはカワサキが1976年のZ650だけを指して“ザッパー”と名乗ったことがないのをご存知でしょうか?
では、「ザッパーとは何なのか!?」それは、1960年代後半にカワサキがアメリカ進出を目論見1960年代後半に掲げたひとつのコンセプトでした。
「風を切る音」=「ZAP」から派生したZAPPER(ザッパー)をコンセプトに、最初に誕生したのは“ジャジャ馬”の愛称でも知られる2ストローク500ccのマッハIII(H1)/1969。そして、「世界一のザッパー」を開発思想に企画・製作されたのが1972年の900 SUPER4 Z1でした。
では、なぜ日本では1976年のZ650だけが“ザッパー”の愛称で広く知られていたのか!? いや、そもそもマッハIII、Z1の時にカワサキが掲げた“ザッパー・コンセプト”とは一体何だったのか!?
名車Z1の誕生、そしてカワサキの二輪メーカーとしての成功の裏に存在していたキーワード——ザッパー(ZAPPER)——がもつ真意を紐解き、'70年代にカワサキが築いた、現在にも続くスタンダードなオートバイがもつ魅力を考えることが本誌〈THE PHILOSOPHY OF KAWASAKI ZAPPER〉のテーマ。
本誌の見立てでは、どうやらニューモデルZ650RS、そしてZ900RSからゼファーシリーズ、そして'72年のZ1、アメリカ進出成功の礎、マッハIIIまで一本の線で繋がっている!? Z1誕生50周年を迎える今年デビューしたZ650RSが伝えたかったこと、それは「カワサキ・ザッパーの真実」だったのかもしれません。
CONTENTS
■Introduction——「再び脚光を浴びたザッパーがもたらしたこと」
■本誌を深く理解するためのキーワード解説
■1927-1970 カワサキ年表「造船、飛行機そしてオートバイへ」
——特集——
■Part.1「BORN TO BE ZAPPER」〜“ザッパー伝説”は、アメリカではじまった〜
■Part.2「MORE ZAPPER!!」〜カワサキは“650”の魅力を知っていた〜
■Part.3「THE KING」〜カワサキZはザッパーから大人のマシンへ〜
■Part.4「ROADSTER」〜カワサキ・スタンダードが標榜する、もう一つの本領〜
■Part.5「TOURING CYCLE」〜“豊かなトルクに身を任せて遠くまで”〜
■〈男からオトナ・カワサキへ〉
——石丸直基/登山道夫(Z1 FANCLUB)/佐々木英行/Lewis Leathers/SHM Helmet
■〈Zにまつわるエトセトラ〉
——「ステーキ名で呼ばれたZ」/「Z系エンジンの変遷」/「ヨーロッパ仕様のZ」/「カワサキZの伝説あれこれ」
■Story from Photograph「650」
■Epilogue「1970年代の正統派」