株式会社三栄

F1へのステップ・アップを果たした加賀見龍介は、開幕戦オーストラリアGPを10位で完走、幸先のいい滑り出しを見せる。が、続く南米ラウンド2戦は体調を崩していずれもリタイア、世界をめぐる”F1サーカス”の過酷さを身をもって知ることになる。第4戦ヨーロッパGPで一時3位を走るまでになった龍介だが、リタイアに終わったサンマリノGP後に自らの不注意で手首を負傷し、モナコGP、スペインGPを満足に走れないまま終了する。低迷に悩む龍介にさらに母・八重子の死が追い打ちをかけた。カナダGPの準備にアメリカ入りした龍介は、インディライツのレースでイギリスF3時代のライバル、ソマリオと再会し、忘れていた闘志を取り戻す。直後のカナダGPで初の4位入賞を果たし、本拠地のイギリスに戻った龍介は留学生・吉沢美香と知り合う。F1レーサーであることを隠したまま、イギリスGPのチケットを美香に渡した。そして、イギリスGPの当日がやってきた―。