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モーターファン別冊・ニューモデル速報
スズキ スペーシアのすべて

2013.03.13
不定期刊
特別定価503円 (特別本体価格457円)
ISBN:9784779617218

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スズキ スペーシアのすべて
「パレット」から「スペーシア」へ、わずか一代でモデル名を変更したのには理由がある。それは、名称からも感じられるように、このクラスのモデルが競うスペースにおいて、絶対的な自信を得たため。この広さが、それでいて驚異的な低燃費が、今後のハイト系の基準となる。

ホンダN BOXの登場により、同カテゴリーのパイオニアであり、販売ランキングでも常に上位をキープしていたダイハツ・タントのひとり勝ち状態が崩壊。混沌としてきたハイト系軽自動車において、ライバルを明確に上回る数値を掲げて登場したのが、このスペーシアだ。

まず注目すべきは、その広さだろう。小学校低学年くらいの子供なら立って着替えもできるほどの室内高は、天井の張り出しを抑えるなどして1365mm(パレット比+10mm)を確保。同様に室内幅も1320mmとパレット比で40mm拡大されているが、やはりハイライトはクラス最長となった室内長。パレットから25mm長くなったホイールベースが採用されたほか、Aピラーを立てて前出しし、バックドアも立ててルーフ後端を延長するなどの工夫が施され、室内長は2215mmを誇っている。

そんな広大な空間も、使いこなせなくては意味がない。そこで、パレットでも好評だった後席両側スライドドアを継承。開口幅580mm、開口高1230mmと大きな開口部に加えて、ステップ高を340mmと低く抑えることにより、老若男女を問わない乗降性を実現した。さらに、ワンアクションで解錠と自動開閉が可能な「ワンアクションパワースライドドア」採用グレード(「X」と「T」)なら、一層の使い勝手向上を望めるだろう。

室内の至る所に用意された収納スペースに関しては、数だけでなく実用性を高めるアイデアが豊富だ。特にボックスティッシュに関しては、オーバーヘッドコンソールをはじめ、グローブボックス内にも専用スペースを用意。後者に関しては、グローブボックスを閉めてしまえば外から見えず、上部からティッシュペーパーを1枚ずつ引き出せるようになっているのが、スマートかつ便利だ。

こういった充実した収納スペースは、特に子育て世代にはうれしいものだが、同様の配慮がスペーシアには散見される。まず見逃せないのが、リヤサイドウインドウに用意されたロールサンシェード。自分では暑さを訴えることのできない幼児のため、市販のサンシェードを取り付けているクルマも多く見られるが、これなら手軽に使える。また、窓を開けても使えるのは、後付けではないからこその利点だ。

これだけ広大な空間を備えたトール系であれば、燃費はそこそこ……というのがこれまでの常識だったが、スペーシアに限っては当てはまらない。カタログに記載された燃費(JC08モード)は、同胞であるワゴンRの28・8km/Lをも上回る29・0km/L(NAのFF車)! ターボ仕様(FF車)でさえ26・0km/Lで、これはライバルであるタントやN-BOXの最良燃費をも凌駕するほど。絶対的なアドバンテージを得たといっていい。

空力などの面で不利なハイト・ボディながら、このような驚異的な燃費を達成できたキーワードは、“軽量化”と“高効率化”にある。まず軽量化については、パレット比で最大90kgにも及ぶほど徹底したもの。新軽量衝撃吸収ボディ「TECT」の採用により、ライバルと比べても格段に軽い840kg(「G」FF車)という数値を実現したという。

そこに、ワゴンR譲りのエネルギーマネージメント技術を投入。すなわち、リチウムイオンバッテリーを搭載した減速エネルギー回生システム「エネチャージ」、13km/h以下で自動的にエンジンが止まる「新アイドリングストップシステム」、そのアイドリングストップ中でも冷風を送れるようにする「エコクール」の制御をさらに煮詰めたものが、採用されている。NA/ターボ問わず、さらにFF/4WDどちらもエコカー減税100%対象というのも、ライバルに対するアピールポイントだ。


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タント&N BOXを上回るスペースと、ワゴンR以上の燃費29.0km/Lを実現! 徹底した軽量化や「エネチャージ」で、1ランク上の燃費性能を獲得した

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