株式会社三栄

ツアラーV伝説は、
いまなお生まれ続けている
　2ドア勢にはない落ち着いた雰囲気と高級感、驚異的な積載量、そして圧倒的な潜在能力を秘めた至高の1JZエンジン。東京湾ベイエリアを発信源に人気が高まったスーパーセダンは、気がつけばシルビアに次ぐドリ車ベースとして多くのドリフターから愛される存在になった。
　OPTION2別冊時代までさかのぼると、ドリフト天国にはじめてJZX100が登場したのは1997年2月号のこと。当時、神奈川のストリートシーンで名を馳せていたチームcool“D"の大将、藤田雅洋のチェイサーだった。デリバリー開始直後だったにも関わらず、車高調やマフラーを装着してビシッとキメていたっけ。おそらく日本でイチバン早く改造に着手したJZX100だった思う。
　あれから18年、いったいどれほどの数のJZX100使いが誌面に登場し、伝説を築いてきたのだろう。ナイトウォーカーズの面々、FOOL&宮本軍団、D-SIDE中保…。すこし考えただけでも無数のスーパードリフターたちの名前と顔、そして愛車が思い浮かぶ。なかには、いまなおJZX100で第一線を走り続けている猛者もいる。
　そんなヤツラが総出演する一冊を、20年以上ドリフトを追いつづけてきたドリフト天国にしかできない一冊を作りたい。想いは前2作(180SX伝説、AE86伝説)と共通だ。なにより、JZX100を題材にしたムック本は山ほどあるけどドリフトのみに絞った出版物は存在しないのだから。
　ただし「どこまでを伝説とするか、どこからを現役とするか」については悩みまくった。なんせ、JZX100はいまなお現役バリバリ&最前線で戦っているクルマだ。つまり、伝説は現在進行形。どこかで線を引かないと、ドリフトアーカイブというコンセプトどおりの内容にならないと判断したからだ。
　熟考のすえ、今回のJZX100伝説で取り上げるのは、D1GPが立ち上がってJZX100の改造が変革期を迎えようとしていた2004年前後までとさせてもらった。だからこそ、最後に約束しておく。そう遠くない将来、ツアラーV伝説の第2弾を製作することを。


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